今朝も2件、たて続けに、ご相談です。

■4年前にインプラントをした部分が腫れて痛い。被せモノがグラグラして噛むと痛い

■3年前にインプラント治療をしたが、仮の歯が入った段階で歯科医院に通うのをやめ、そのまま放置しておいたら、歯茎が腫れて痛くなってきた

 

いずれの方もお話をよくうかがっていたら

インプラントは手術が終わって被せ物が入れば終了、完璧、永遠に大丈夫。

と思い込んでいらっしゃる、ということが、わかりました。

 

関わった患者さんの意識、つまり頭の中をこのような状態のまま

治療を終了し放置しておく、ということは吉本歯科医院では、ありえないこと、です。

そして、最も怖いことであり、

吉本歯科医院が最もエネルギーを注いでいる患者さんの意識改革の活動です。

 

吉本歯科医院には、全国各地から、いろいろなご相談を寄せて頂きます。

そのお返事を院長に確認し、お出ししているのは私マネージャーの仕事です。

この内容をどれほど、書いてお返ししたか、わからなくなるほどのトラブルの件数です。

 

どうぞ、今後、これからインプラントをしようかな、将来考えておこうかな、

という方は知っておいて欲しいことが、あるのです。

 

上記のような状態になってしまってからでは

私共ではお助けすることができない可能性も多いのです。

最悪の事態には、

削る必要のない骨を大きく削ってせっかく大変な苦労をしながら埋入した

インプラントを除去しなくてはいけないこともあります。

 

まずは知って下さい。

知っておいていただくだけで、「あ、そうだ、こんなことを事前に聞いておこう」と準備ができます。

それだけで、患者さんが将来抱えるリスクは大きく減ります。

 

知っておくだけで、いいんです。

 

インプラントトラブルについて

院長吉本彰夫

 

先日もこんな患者さまがお越しになられました。

 

その方は10年前に他医院で下顎部分にインプラント治療をされました。

 

しかし、最近になってインプラントを埋入した部分が腫れて痛みが出るように。

 

レントゲン写真を撮影し、詳しく骨の状態を拝見するとインプラントを埋入した周囲の骨が溶けてしまっていました。

バイ菌が入り込み炎症を起こしています。

 

インプラントはただのネジです。

 

元々の自分の歯ではありません。

異物なのです。

 

インププラントを埋入し、被せ物の歯が入ればそれで完成!

と思っておられる方はとても多いです。

 

特にトラブルを起こし、「どうにもならない状態」で

当院に駆け込んでこられる方も少なくは、ありません。

 

 

今回の患者さんのインプラントトラブルは

メインテナンスを怠ったためにバイ菌が繁殖し、インプラント周辺の骨が大きく溶けてきたことによるものです。

 

 

最近、インプラント治療による事故がマスコミに取り上げられています。

そのトラブルは

 

医院側の責任

■手術に必要な検査を省いたこと

■全身管理ができる担当医師をつけていなかったこと

■事前に神経等の場所が把握できるシミュレーション診断を行なっていなかったこと

などです。

 

患者さん側の責任

■喫煙

■糖尿病

■定期メインテナンスを怠った

などです。

 

 

私の医院にも、「他医院でインプラントをしたが、トラブルを起こして困っている」

という患者さんは増える一方です。

 

問題が起こっているには

必ず原因があります。

 

 

では、インプラントが故障したり、トラブルがあったりした場合に

「はずせばいいではないか?」

「もう一度やり治せば良いではないか?」

と単純に思いませんか?保障もついているから。

 

 

しかし、そのように単純なものでは、ないのです。

 

 

インプラントはただのネジです。

 

インプラントメーカーというのは世界に何百社とあります。

 

 

ご自分が入れたインプラントメーカーがどこのメーカーのものかによって

修理ができる場合とできない場合が、あります。

 

 

インプラントと被せ物の歯を「ネジ」で固定されています。

修理したり、深部まで掃除するにはネジを外して被せ物を掃除する必要があります。

 

しかし、そのネジを外すドライバーというものが、各メーカーにはあります。

 

各メーカーは自社の商品を使い続けて欲しいので、ネジ山を特殊形状にして他社のドライバーでは外せないようにしています。

 

つまり、メーカーが違うとネジを外すことさえ、できません。

 

骨を大きく削ってインプラント本体を外すしかできないことまでありえます

 

その先生がどこのメーカーのインプラントを埋入するのか?ということは

実は将来的にはとても大きな問題です。

 

インプラントをする際には、10年後にもし「インプラントを外す状況になった時に修理ができるのか?」というこの視点を持って選択する必要があります。

 

引越し等でメインテナンスに通えなくなった場合には、引越し先の近隣でメインテナンス可能な医院をご紹介していただいてください。

 

せめて、下記の5点だけでもいいので教えて頂いてください。

 

1         どこのメーカーのインプラントなのか?

2         インプラントの種類や型番はどうなのか?

3         ネジで固定されているのか?接着材で固定されているのか?

4         接着材のメーカーや種類は何なのか?簡単に外せるものなのか?

5         外すにはどうすれば外せるのか?

 

このことが判っていれば自医院で対応できるのか?対応できないのか?判断できます。

 

また、先ほどの患者さんですが、

インプラント治療がいったん終了すれば、それでもう大丈夫、と思われてしまったことにも問題があります。

 

最初の数年はメインテナンスに通われていたそうです。

数年間大丈夫だったから、先生が大げさに言っているだけで、

きっともう大丈夫に違いないと思われてしまったそうです。

 

インプラントはご自分の歯と同じく

死ぬまでメインテナンスする必要があります。

 

また、インプラントトラブルの8割は2年以内に起こっています。

 

ですので吉本歯科医院では、インプラント治療を行なった患者さんには

終了後すぐは1ケ月ごとに経過を見させて頂いております。

 

その後、半年、一年半、2年目と、レントゲンで骨の状態を確認しながら

状態が安定するのを確認します。

 

特に症状が無くてもです。

 

状態が悪くなっていたとしても、インプラントはご自身の歯のように痛いや凍みるなどのように自覚症状として警告を発してくれません。

 

よくない状況が周囲の歯ぐきや隣の歯にまで影響が及んではじめて患者さんは自覚症状として気づくことができます。

 

メインテナンスにきちんと起こし下さらない

または、メインテナンスの必要性をご理解いただけない場合には

手術を行なうことはできません。

 

 

それは

トラブルの原因となるから、です。

インプラント治療なんか受けなければよかったとなるから、です。

 

 

どうぞ、知って下さい。

 

 

インプラントは完成したら、終わり

ではありません。

 

 

歯と同じく、あなたが死ぬまで、そのインプラントを使い続けるまで

定期的なプロによるメインテナンスが必要なのです。

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