先日、当院院長吉本彰夫が、ある会にて「歯を失わないためのお話」をさせて頂きました。
医療関係の方もいらしたのですが、大変好評だったようで
早速当院ニュースレターをごっそり、お持ち帰り下さりお配り下さいました。
私も横で院長の話を聴きながら改めて
「へえ、そうかあ、なるほどお、たしかに!」と
うんうんうなずきしっかりノートを取ってしまいました。
まだまだ勉強しないといけないことばかり、です。
当院院長がお話させて頂いた内容を少しご紹介しますね。
ここより、当院院長吉本彰夫の「姿勢と噛み合わせ」です
↓
「知人のお話です。
お祖母ちゃんが子供達が孫達が年に何回か帰ってくるのを楽しみにしています。
だから何をしたと思います?
家をリフォームして拡張工事をしたんです。
将来帰ってくるであろう孫のために家を新築したんです。
都会の子供達、どうだったと思います?
「相談もなく親が勝手に建てた田舎の家に」と言って帰ってこなかったそうです。
年に1回、年末年始にお盆、帰ってくる時に住めるように和室を拡張したそうです。
しかし都会の子供や孫達は寒くて一戸建てはいやだと言ってホテルに泊まったそうです。
布団の上げ下ろしはイヤだと言ってホテルに泊まったそうです。
おじいちゃんおばあちゃんの古い家に泊まると
ほこりがいっぱいあって目が痒くなるそうです。
大きな家、
果たしてそれは本当に子供や孫が求めているものでしょうか?
もし私だったら、そのお金があるならば来た時に一緒にホテルの広い部屋を借りて、一緒に泊まって、一緒においしい食事をして、一緒に楽しい時間を過ごす。
同じ金額ならば、そっちの方がはるかにいいと思う。
こんな考えどうでしょうか。
結局その方はどうされたかというと、今現在は施設に入られており、その新築にされた家は今だに10年を経過していますが、誰一人、一人も住んでいません。
地方には、こんな方がたくさんいらっしゃいます。
大きな家、立派な豪邸
でも、空き家。
家の主(あるじ)は施設へ、という時代です。
さあ健康ということで、健康って何だろう?と考えてみて欲しいのです。
健康の中でも、何の健康がお金を使うに値するものなのか?
よく私のところにも「サプリメント」栄養剤を持ってこられる方がいらっしゃいます。
健康に確かにいいですね。
不足を補うという考え、私も賛成です。
手術をした後に栄養がなければ傷が治りません。
栄養を摂る、そのために日常の食事では摂れない。
だからサプリメントで摂る。
すごくいい考えだと思います。
しかし日常的にサプリメントを摂ると、別のことも起こってしまいます。
日常的にサプリメントを摂っていくことで
今度は、サプリメントからしか栄養を摂ることができない体になってしまう。
もし私が健康ということで聞かれたならばお答えすること。
それは今その時、その瞬間のことだけを考えてはダメだということです。
「健康寿命」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。
そして「ピンピンコロリ」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。
何なんでしょう、この言葉は?
皆さん寝たきりはイヤだということではないんでしょうか。
「寝たきりはイヤだ」つまり「自分の足でちゃんと歩けるということが実は健康なんです」というふうに私は考えます。
歩けるということはどうでしょう。
足がしっかりしていることです。
足腰がしっかりしていることです。
そして転ばないということです。
足腰をしっかりするために、しっかり歩く・走る、大事ですよね。
ですが骨折している人がいるんです。
あなたのまわりにいませんか?
骨折して入院された方。
骨折をきっかけに入院し
そのまま「寝たきり生活」に突入したという方
実は、本当に多いのです。
骨折をして入院をされると、筋肉が衰えるわけです。
歩けなくなるんです。
寝たきりになってしまうんです。
寝たきりになった方が復活する方の割合どうでしょう。
寝たきりになって5年後に残念ながらお亡くなりになられている方、すごく多いんですね。
「平均寿命」という言葉と「健康寿命」という言葉は、厚生労働省のホームページに詳しく書かれています。
男性で9.13年、
女性で12.68年あるわけです。
つまり日常生活に支障がある年数が女性だと10年以上あるということです。
「ピンピンコロリ」は残念ながら言っているだけで、現実にはほぼ行なわれていないのです。
転ぶから入院するんです。
転ぶから寝たきりになるんです。
転ばないためには足腰をしっかりさせないといけない。
筋肉を鍛えないといけない。
さあ、もう一つ大事なことがあります。
体が真直ぐに姿勢正しく歩けていないから、足腰が弱るんです。
頭が背骨の上にちゃんと乗っていないから、猫背だから頭がどんどん前に倒れていくんです。
背骨や腰に負担が掛かるわけです。
ところでロボット、数年前のロボットどうでしょう。
10年前のロボットどうでしょう。
2足足歩行のロボット、最近は各大手メーカーが努力し、2足歩行のロボットが出始めましたが、実はこれすごい技術です。
10年前そんなのなかった。
人間はどうでしょう、転ばないですよね。
なんで転ばないんでしょう。
それは下顎という平衡感覚ということに守られているんです。
平衡感覚ということがつまり転ぶ転ばないということに大事だということです。
じゃあ、その平衡感覚とは何からきているのか。
何をもって平衡感覚を養うことが出来るのか。
綱渡りを練習すれば確かに平衡感覚、大丈夫ですね。
「平衡感覚」それは耳のよくある人の平衡感覚、内耳の前庭受容する前庭感覚であるとか、迷路反射であるとか、そういうことがよくあります、言われます。
あと目ですね。
両目で地平線と平行に両目で歩くことによって転ばないということです。
飛行機であれば、両方の翼が真直ぐ地平線に対して真直ぐ平行になっている、だから落ちないんです。
これ片方傾いたらどうです、墜落しますよね。
人間の目は両目が地平線と平行になっていて初めて真直ぐ歩くことが出来るんです。
首をかしげて歩いていると、それは真直ぐ歩けないということになります。
もう一つ、じゃあこの体がどうしてそういうふうに重心がずれるのか。
じゃあ、そういうふうにずれた時に、どうやって人間はその姿勢を正そうとしていると思いますか。
それは「姿勢反射」と言います、専門用語では。「立ち直り反射」とも言います。
そういうふうにしてバランスを取っているのです。
その時に何が使われているのか。
例えば
台湾に高層ビルがあります。
100階以上の超高層ビルです。
以前はアジア一、私も1回見てきました。
日本の素晴らしい技術がありました。
屋上階に何があったと思います?
重たい鉄球がぶら下がっていたのです。
振り子です。
振り子というものが、建物が揺らされた時にバランスを取っているのです。
振り子というものが、体の姿勢を正しいところに直そうとするわけです。
じゃあ人間にとって振り子って何なんでしょう。
綱渡りをする時に、綱渡りをする人が長い棒を持っていますよね。
もしあれ棒を取り上げたらどうでしょう。
歩けないんじゃないですかね。
綱渡りする時に長い棒があって左右のバランスを整えて初めて転ばないということが出来るのです。
ですから綱渡りをする初心者の方ほど棒が長いんです。
慣れてくるほど棒は短くていいのです。
人間にとっての振り子とは
人間の体、実は顎(アゴ)なんです。
下顎なんです。
下顎の骨だけが人間の体で唯一、左右に渡っている骨なんです。
この下顎が体がずれた時に少し傾くことで、人間が転ばないように重心を維持しているんです。
この振り子のように顎が自由に動ける、これが人間が転ばないようにバランスを取っている平衡感覚。
耳の平衡感覚を養う、実は難しいんですね。
目はメガネを掛ければいいでしょう。
コンタクトをすればいいでしょう。
でも顎も治せるんです。
ちゃんと噛めるように。
ですから姿勢と噛み合わせのバランスということを常に申し上げております。
目が地平線に対して真直ぐ平行になっていて、そこに下顎が同じようにぶら下がっていて、真直ぐぶら下がっていて、顎が右でも左でも、前でも後ろでも自由に動けることができて初めて人間は転ばないでいられるのです。
つまり噛み合わせの面、「いわゆる噛み合わせの面というのは、目と平行であるべきである」というのが私の考えです。
良く割り箸を噛んで、左右に噛んでみて「目とずれているわね、顔がゆがんでるわね」などというテレビがでていますが、それはそのことを意味表しているのです。
噛み合わせとは、私が大事だと考えるのは、「目と平行である」ということです。歯はいっぱい28本、上は14本、下は14本きれいに整列して扇型のように並んでいるわけです。
歯がお互いを支えあっているのです。
歯がないと倒れたり、飛び出したりしてくるわけです。
その平行というものは、ずれてしまうのです。
ですから私は噛み合わせをさわることが寿命を延ばすと本当に信じてやっていますし、歩きにくかった方が歩けるようになったり、運動が出来るようになった、そういう現実をいつも見ています。
噛めるようになったことで筋肉が付き、ちゃんと体のバランスが維持できるようになった方もいっぱい見ています。
プロのスポーツ選手がうちに来られてマウスピースを作られたりして、その結果こんなことがあったんだという嬉しい報告を受けたりも聞いているんです。
ですから私はキチッと噛める、キチッと体を支えられる、キチッと重心を取れる、振り子のようにバランスを、平衡感覚を自由にいつでも動けるようになる。
そういう顎の位置関係というのは大事だと思っています。
きちんと噛める
かみ合わせのバランスをきちんとすることが
寿命を本当に伸ばします。
そういうことを日々現場で見ているのです。」
(以上、吉本歯科医院院長のお話でした)