10年前からお越しになられている患者さんから
「10年前に院長先生がおっしゃっていたことが、わかりました」
と言って下さいました。
10年たって、はじめてわかって下さる
というのも嬉しいものです。
当院院長がかかげている診療理念は下記の3つです。
【吉本歯科医院の診療理念】
1、自分の家族にできる治療かどうか
2、私自信が受けたい治療かどうか
3、10年後の患者様の歯の健康を見据えて治療にあたること
今回は「10年後の患者様の歯の健康を見据えて治療に当たること」の私の考えている具体的な内容をお話しします。
私は、日々患者さんにこんな風にお話させて頂いております。
人間の歯は一生動き続けます。
歯は体の姿勢によっても変わります。
姿勢、ある程度年数、お年を取られると皆さん姿勢違いますよね。
たとえば家を建てるとしましょう。
最初は夫婦二人かもしれません。
将来子供が出来るかもしれません。
孫が帰ってくるかもしれません。
そういう風に生活スタイルって将来変わりますよね。
家を建てるとしましょう。
土地を探しましょう。
もともと持っている方もいらっしゃるかもしれません。
土地を探すこともあるかもしれません。
もともとある方もどういう家を建てようか。
その土地の状態に対してどの位の面積に家を建てようかと考えると思います。
たとえば、土地すべてに対して丸々ピッタリ家を建ててしまうと、将来増改築をしたいと思った場合に出来ないですよね。
お口の中もいっしょです。
歯の治療をした、たとえばインプラント治療。
すごくいい治療で今まで噛めなかった方が噛めるようになったり、良くなっていきます。
しかしながら、ご自身の歯もあるわけです。
残念ながら神様は人間のこの寿命、こんなに長く長生きするような超高齢化社会が来るなんて予想だにされてなかったんでしょう。
とてもそれに追いつくような歯の強度は与えてくれていません。
「8020」80歳で20本の歯を残しましょう。
と厚生労働省がうたっています。
実際にそれを達成されている方もいらっしゃるわけです。
しかしながらきちんときれいな歯が残っている人って、実はいないんです。
確かに歯の本数はあります。
歯の本数はあるんですが、歯の頭のエナメル質という、いわゆる硬い部分は磨り減ってしまってます。車のタイヤ、ずっと同じタイヤを交換せず走り続けていたら溝がなくなってしまいますよね。
そんなイメージです。
歯の頭が磨り減ってしまうのです。
一時的に今回なくなった歯をインプラントにし、すごく強い歯ができた。
しかし他に残ってらっしゃるご自身の歯がある。
それがいったいいつダメになるのか、将来ダメになる可能性があるということです。
10年後にどの歯がダメになるのか、10年後にお口の中に何が起こるのか、それを最初に設計、プランニング。その時どうするのか、そこを考えておかないと思わぬ予期せぬことになってしまうことがあるのです。
実際にインプラントも開発されて30年、40年となりました。
吉本歯科医院も開業して10年を超えました。
そういう患者さんを診せていただいていると、あの時先生がお話しされていたことがようやく分かりましたというお声を聞くようになりました。
その時には皆さん方は、「今ここだけ何とかすれば」というお気持ちがたぶん強いんだと思います。
しかしながら、その時にする手立てが残っていないと残念ながら出来ること限られてしまうのです。
増改築、これは絶対に将来必要なものです。
将来どういう風になっているのか、その時にどういう風に増築することが出来るのか、どういう風に改築することが出来るのか。
その設計が出来るようなインプラントのシステム、インプラントのメーカー。
こういったものを選択しておかないと、10年後にそのメーカーが潰れてしまっていては増改築することも、外すことも出来ないのです。
以前インプラントのどこのメーカーを使うのか、どういう材質の物を使うのか、ということをお話しさせていただいたこともありますので、詳しくはそちらをご覧くださいね。
10年経った時にダメになる。
そうすると、その時打つ手かないと困ってしまうわけです。
もう1度同じような治療を出来るんでしょうか。
今は非常に元気な方、40代、50代、元気な方。
10年経った時に今起こっているお話しとしては、ドクターストップがかかってしまう。
こんな方いらっしゃるんですね。
たとえば高血圧、心筋梗塞、一番最近よく問題なのは、骨粗鬆症です。
骨粗鬆症、すごく今どんどん増えていってます。
そしていい薬が開発されています。
ビスホスホネートに代表されるお薬があります。
すごくいいです。
骨折した人の骨がまた前のようにリハビリを続ければ若い時に近づく、5才若くまで骨が回復する、すごくいい薬です。
今、整形外科だけでなく内科でも外科でも処方されています。
しかしながらすごく良く効く薬、実は薬って...。
こんな話し聞いたことはないですか、毒なんです。
良く効く薬ほど毒なんです。
つまり副作用があるということです。
テレビでも何年かに一度そういう放送聞きますよね。
たとえば肝炎、あれは注射が元になったんだ。後、止血剤。
妊娠されて出血が出たときの、その時のことに使った止血剤、そういうことの副作用で今もお悩みの方、いっぱいいらっしゃるんです。
ビスホスホネート、骨にとってはいいかもしれない。
しかしながら実はすごい副作用があるんです。
どんな副作用か。
歯を抜けない、副作用です。
歯は抜けない、抜かないほうがいいよね。
当たり前ですよね。
抜かないといけない歯なのに、抜くことが出来ないということです。
痛いんです。
患者さんはどうにかして欲しいんです。
抜いてあげたいんです。
残念ながら吉本歯科医院ではそのような患者さんの対応をすることは出来ません。
ですので香川県の総合病院にご紹介させていただきました。
残念ながらそちらでも対応することができず、大阪の総合病院にご紹介されました。
大阪の総合病院に行ったんですけれども、結果は同じでした。
難しいんです。
結局その患者さんはまた吉本歯科医院に戻ってこられました。
痛いんです、疼くんです、腫れるんです、辛いですね。
辛いんですね、としか申し上げることが出来ないんです。
抜いて差し上げることが出来ないんです。
抜くにはリスクが高いんです。
場合によっては入院して抜かなければいけないんです。
大手術しなければいけないんです。
たった1本の歯です。
たった1本の歯を抜くことが出来なくなる。
そういうお薬なんです。
抜くときにやめればいいじゃないか、そんな風に製薬会社は言ってお医者さんに売っています。
残念ながら何年その薬をやめれば大丈夫か。
ないんですね、そんな報告が。
3年と報告している先生もいらっしゃれば、5年と報告をしている先生もおれば、10年経っても全くダメでしたという報告まであります。
もう薬をやめているのに10年経っても歯を1本も抜くことが出来ない。
非常に怖い、
いずれそれが出来るような薬が出来るかもしれませんが、現時点においてはまったく目途がたっていないんです。
その時にどういう治療法が選択できるのか。
あの時にスペアタイヤを1本乗せて置けばよかったよね。
そんな話しあるんですね。
あの時いっしょに処置しとけばよかったよね。
そんな話しもあるんです。
10年後ほんとうに元気で、健康で、何の手術も問題ないそんな体を自信持って行く自信ありますか?
10年後は1つの目安です。
20年後、30年後、これは寿命との競争です。
寿命との戦いです。
その時にいかに健康であり続けることができるのか。
昔はよくピンピンコロリと言われました。
今残念ながら何か大きい病気をしたとしても、ほとんどの方が何個もの大きい病気をされているんです。
昔とは時代が違います。
生還できるのです、副作用を持って。
皆さん病気を抱えています。
人によってはこれとこれとこの薬を飲んでいる。
私はもっと飲んでいるわよ。
そんな話しすら聞こえてきます。
健康な人に対する治療法とそういう方でない治療法はまったく違うんですね。
ですから今その時だけ考えていた。
たとえば今インプラントを右にした。じゃあ左がダメになった時に、そっちは入れ歯。うちにいらっしゃる患者さん多いんですね。
トラブルが出てます。両足だったら1km、2km歩けるかもしれません。
片足ケンケン何キロ歩けますか。100mでも大変なんじゃないんでしょうか。
健康であれば、健康な足であったとしても100mは無理なんです。
インプラント、ほんとに何でもかんでも噛めるんでしょうか。
インプラントは単なるネジです。
噛めません。
本来あるべき設計、本来あるべき強度、本数、ないと折れてしまいます。
10年後にどの歯がダメになるのか、10年後にお口の中に何が起こるのか、それを最初に設計、プランニング。その時どうするのか、そこを考えておかないと思わぬ予期せぬことになってしまうことがあるのです。
これが、私共吉本歯科医院の診療理念の3番目
「10年後の患者様の歯の健康を見据えて治療に当たる」という部分の内容です。