おととい、印刷会社の可愛らしい女性担当者が吉本歯科医院に来られました。

用件は、地元の新聞で生活者に向けての医療情報を提供する企画を作っている最中で

情報を探している・・・・といったところでした。

とっても可愛い方で、話しやすい雰囲気だったので気分よく話しこんでしまった私なのですが、

ふと、こんなことを思いつきました。

私たちの生活の中には、医療の情報だけでなく、さまざまな商品やサービスの情報、宣伝が

毎日怒涛のようにこれでもか、これでもか、と押し寄せてきます。

新聞や雑誌を見ても、「これって宣伝だよね」とうんざりするような手の込んだ情報の束を見ると

見てるだけで気分が悪くなります。

なぜなんだろう、と思った時に、その全てが一方的、一方通行ばかりの情報の押し付けだからなんだと思います。

医療の情報にしても、もうこれ以上いらないでしょう・・・宣伝は(泣)というほど

自分のところの宣伝ばかりがうたわれています。

生活者はたぶん知っています。

それが宣伝だということを。

それが本当の情報じゃない、ということも。

だから、今さら、そんな情報を一方的に生活者に提供しても意味が無い、と思うのです。

じゃあ、何をしたらいいんでしょうね?という話になった時、

私はあえて、「医療を提供する側から見たいい患者さん像」を打ち出したらどうか?と話をしました。

 

医療を提供する側、受ける側

サービスを提供する側、受け取る側

物を売る側、買う側

いろんなシチュエーションがあると、思います。

でも、その全ては人と人とが必ず絡んでいます。

私は人と人との関係は、「相互の関係」でなければうまくはいかない、と思っています。

受身だけでも駄目、かといって押していくだけでも駄目

お互いが近寄ろうと近寄ろうと気遣いをしあってはじめていい関係がはじまると思います。

特に難症例の長い期間の治療を必要とする患者さまの場合は、担当医師と長い間

手をつないで身体を寄せ合ってダンスを踊っていくようなものです。

 

しかし、医療の世界においては、まだそれは無いんですね。変です・・・・どこか。

 

患者さんという立場は、どうしても「私だけをちゃんと見て」という意識になりがち、です。

もちろん私だってそんな気分になります。

「今、とっても弱っているんだからちゃんと大事にしてよ」

「私だけを優占してみてくれて当たり前」

「だって、弱っているんだもの」

「お医者さんでしょ?ここは・・・」

こんな気持ちになってしまいがちです。

 

しかし、もう一歩踏み込んで「私を大事にしてくれるためにどういう振る舞いをすればいいのか」という視点を患者さんが持ったとき

医療を提供する側の姿勢は大きく変わると思うのです。

つまり、お医者さん側より、もっと「大人」になってしまう、といえばいいのでしょうか(笑)

これは医療に限らず、全ての人間関係でも同じですよね。

相手に自分をどう扱ってもらいたいかは、実は自分が決めていると思います。

扱ってもらいたいように自分が振る舞い、その場にふさわしい言葉遣い、態度、動作、表情を

していければ相手は勝手に変わってくれます。

私はうちのスタッフには、いつもそうやって対応して欲しいと思っていますし、折にふれそういうことを

伝えています。

つまり、臨機応変に柔軟に態度や言葉を変化させることができる人が大人だと思っています。

こういうことを意識して生きている人とそうでない人の差は10年後20年後に大きく出てくるはずです。

今は、特に一番若い小田歯科衛生士に訓練中です(笑)鉄は熱いうちに打っておきます。

 

さて、吉本歯科医院には本当にいろいろな患者さまお越しになられます。

四国各地から院長吉本彰夫の治療を求めてわざわざお越しになられる方も多くいらっしゃいます。

その中には、本当に素晴らしい「患者力」をお持ちの方がいらっしゃいます。

 

以前も、私のブログの中で書きました「いいサービスも受け手次第」

https://www.8181118.com/manager/2009/06/

と重なる内容です。

 

こちら側がどんなに良い医療を提供しようとしても、それを受け取る患者さまの姿勢や意識が

育っていない場合は、残念ながら受け取る価値は半減します。

では、「患者力」とはどんなものか?と申しますと

①歯科医師を本当に信頼してまかせてくださる

②不安なことや疑問は、お腹に溜め込まず、率直にその場で質問できる

③場の雰囲気を和やかにできる

お医者さんだって、生身の感情をもった人間です。

その生身の人間から、「どうにかしてこの人を良くしてあげよう」という真摯な気持ちを

引き出せるのも実は患者力だと思います。

 

私も毎日毎日、吉本歯科医院での診療の様子を見ていて本当に感じることがあります。

「ああ、この患者さんは、院長の能力を最大限に引き出すことができてるなあ」と思うこと。

「ああ、この患者さんは、うちのスタッフに最高に愛されちゃってるわ」と思うこと。

いい治療を提供できているとき、そこには必ず、患者さまの力があります。

例外は、ありません。

全ては相互の関係、です。

医療を提供する側は、もちろんどこまでもその技術を磨き、努力をし続ける必要があります。

しかし、医療を受ける側も、これからは高い意識が必要です。

知識を学ぶことも必要です。

自分の体のことですので、知らなかった、でつらい思いをするのは

自分以外何者でもないわけです。

 

「患者力を磨こう」(仮名)勝手につけちゃいました(笑)

通るといいなあ、この企画。

期待しています。

 

香川県の医療水準がぐっと引き上げられることは間違い、なし、です(^^)

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