昨日、夜、歯科衛生士の杉本から院内メールが入ってきました。

院内メールとは、吉本歯科医院のスタッフ全員が連絡事項をみんなで共有できるように

みんなの携帯アドレスに一斉送信されるものです。

 

患者さんの◯◯さんが、テレビに出ています。見てくださ~い。というもの。

そのテレビはhttp://www.nhk.or.jp/takamatsu/shiawase/

しあわせな家族を紹介するというもので、美川憲一さんが幸せ一家を訪問するというものでした。

ちょうどその頃、「夏ばてしないようにうなぎだ~~!!」とうなぎをほうばっていました。

外にいたので携帯のテレビであわてて録画。

 

今朝出勤すると、その話題でスタッフはもちきりです。

なぜかというと、このテレビに紹介されていたご一家は吉本歯科医院の患者さんで

直島からわざわざお越し下さっています。

そして、カウンセラーも、歯科衛生士のみんなも、この患者さんのことをよく知っていました。

「いつも本当に優しくていい方だと思ってたけど、改めてテレビを見て感動した~(泣)」と。

 

朝、診療がはじまる前にその録画した昨日の番組を見ながら

歯科衛生士の田中は、目が真っ赤になって涙をうるませているのです(^^:)

「どうしたん?」と聞くと

「◯◯さんが、娘さんを想う気持ちを語っているのを聞いて、思わず涙が止まらなく・・・」

カウンセラーの森下がやってきて

「きっと田中さんと自分のお父さんの姿が重なったんやね(^^)」

と涙で真っ赤の田中をお母さんのようにヨシヨシしています。

 

田中は、本当に涙もろい人、です。

患者さんがお悩みを語っている時、横でカルテを書きながら田中も一緒に涙ぐんでいます。

患者さんが治療最終回に「おつかれさま」と言われ思わず泣き出した時は、必ず田中も一緒に

それを見て泣いています。

先輩が、悲しいことがあって落ちこんでいると、落ち込んでいる本人よりも田中の方が先に

泣いています。

患者さんが治療が怖いの(><)と訴えると、患者さんの手を思わず握ってしまうような人。

なので、田中の目はしょっちゅう真っ赤に腫れております。

 

本人はそれをすぐに反応しすぎて嫌なんです、と言います。

でも、そうでしょうか?

私や院長は、田中のそういうところが何よりも大好きなのに。

そしてスタッフだってそう思っているのに。

 

田中はちょっとした心の機微を本当に細やかに感じ取ってしまう人です。

敏感なのです。

それは本人にとっては、しんどいことで、変わりたいと思う面かもしれない。

でも、彼女の、人の気持ちを汲み取る能力、その細やか微妙な気配りや

共感できる力。

これはひょっとしたら、今という情報過多の時代、人の感情が薄れてきた時代に生きる

私たちにとって、最大の能力ではないのか、と思います。

 

今は、何を見ても何に触れても感動できない人で溢れています。

涙のひとかけらさえ出てきもしない。

心が震えるような体験だって、ない。

つまり何があってもノーリアクションの人が多いんです。

それはきっと、

パッと目の前のことを見ても

「ああ、これはこうだから」と頭で考えて理論や理屈で脳みその中で処理し完結してしまうから。

いろんなことが情報として、先に頭に入ってしまっているので

感動がない、つまり、できないんですね。

 

心に届く前に、頭でがっちり考えてしまうから、なんですね。

だから、胸を打つとか

心に響くとか

グッときて涙が出たとか

そんなことがないんです。

そうそう泣けませんから(泣)現代人は。。。。

 

人の痛みや、人の些細な感情の変化に共感できる、反応できるということ

それがあるからはじめて、

「ああ、この人は今苦しいんだ」

ということが自分の身に置き換えてわかるわけです。

特に医療という世界に生きる人にとって、「人の痛みを自分のことのようにわかる」という

人がどれほど大事なことか。

こういう視点って今は、意外にもズッポリ抜けています。

 

田中本人にとって、実は欠点だと思っていることが

実は私にとって一番魅力的なことなのです。

田中本人が、気がついていくのもそう遠くはない、私はひそかに思っています。

 

それは、ここまで人と人との関係が分断され、味気ないものになっていき

情報や知識だけが優占され、人情や人の感情というものが消えていっています。

そんな中で、田中のような人は、やはりキラリ光ってしまうのです。

 

人はどんなに進化しても、心はそんなに変わりません。きっと。

人は人を求めます。

心で接してくれる人をやはり求めてしまうからです。

気持ちと気持ちのふれあいが出来る人を求めてしまうのです。

田中のように、人の目をまっすぐ見て、しっかり人と向き合い、

感情をそのまま表に出し、人の気持ちをちゃあんと汲み取っていける人。

こんな人、実は意外にも少ないんですよ。

 

私は吉本歯科医院で働いてくれる人に対する

ここだけははずせない、という点が実は、あります。

それは

人の目をまっすぐに見られる人

という点です。

それはいまどきのアイコンタクトとかいうテクニックではなく

本当に心の奥から人の目をちゃんとまっすぐに見ているといこと、です。

たぶん、その一点を、採用の際に、見ているんです。

それは、一瞬のことです。

パッと会った瞬間に、こちらを見る目がどうなのか?

その目に違和感がないか?

ストレートに向かってくる目なのかどうなのか?

 

その目に何かしらの違和感を感じた場合は、たぶん、何か相容れないことが

起こります。

それほど、目は口ほどにモノを言っている、そう思います。

 

どうぞ吉本歯科医院にお越しになられた方は

ぜひわがスタッフたちを観察して下さいね(笑)

きちんと目を合わせ、きちんとお一人お一人に向かい合う、ということが

どれほど心地いいものか、どれほど人の気持ちを和ませるか

感じて頂けると思います。

そしてそのことは、中にいるスタッフどうしもきっと、感じています。

「ああ、自分ときちんと向き合ってくれる仲間がいてよかったな」と思える職場。

それが最高です。

 

田中のそのもともと持っている素地を、だめにしてしまわないこと。

能力を潰さないこと。

それが、職場の役目です。

そして、おかしな教育をしないこと。

どこかからかりてきた様な理論や理屈を「これが教育だ~」なんて押し付けないこと。

世間一般でいう「お仕事ができる人物像」を押し付けないこと。

それがマネージャーのお仕事かな?(^^)

 

そしてそのうわさの患者さんが今日お越しになられる予定です。

スタッフ全員出てきて「観ましたよ~~!!」と大騒ぎになること間違いなし(笑)

お静かに。。。。。。

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